えせ同和行為とは、部落差別の解消についての相手の無知に付け込み、無理やり書籍を買わせたり金品を要求したり、その他の脅し行為を行うことで「同和は怖い」「関わりたくない」といった差別意識を作ってしまう事を指します。反社会的な組織がやっている場合が多いのかな?→法務省ページ
一見関係なさそうに見えますが、DVの対策と共通するところがありましたので、紹介したいと思います。
宮崎県「ストップ!えせ同和行為」
宮崎県がパンフレットとして出していたものが、絵入りで割と読みやすいです。現在は削除されてしまったようですが。。。
概要としては「暴力に屈しない」「複数で対処する」「要求内容を明確にする」といったことが書かれており、チームで暴力に対抗するよう、啓発されています。末尾には宮崎県の相談一覧などがあり、分かりやすいパンフレットだと感じました。
その中で対策として書かれているのが下記。
組織としての対応の心得
- 同和問題に対する理解を深めること
- 組織全体で対応すること
- 要求内容を明確にすること
- 脅しを恐れないこと
- 安易な妥協はしないこと
直接対応する担当者の心得
- 面談場所を選ぶこと
- 初期の対応は、担当者が行うこと
- 対応は、必ず複数で行うこと
- 相手方の氏名等を確認すること
- 要求内容の詳細な記録を心がけること
- 言動には特に注意すること
- 相手方の要求に即答、約束しないこと
- こちら側から相手方に連絡しないこと
とくに、必ず複数で対応すること、要求内容を明確にし、詳細な記録を取ること、言動に注意すること、即答・約束しないことなどは、そのままDVなどに使えそうだなと感じました。
DVに応用すると…
加害者と直接対峙することになるケースは、結構あります。こちらとしては会いたくもないのですが、家を探し出して近くに潜んでいたり、同棲していた場合には家を引き払う際に家の中に潜んでいたり、突然登場したりと、かなり迷惑な目に遭うことも少なくありません。
しかも、加害者は被害者との1対1の話し合いを望むケースが多いです。
DVの場合、被害者が逃亡しているケースがほとんどですので、それについて徹底的に話し合いたいのだそうです。自分が被った被害を賠償しろと要求してくる事も。だいたいは、人がいるところでは「じっくり話し合いがしたいから」などと言っておいて、1対1になったら急に脅しをかけてくる感じかな?
ですから、えせ同和対策を応用すると
「DVに関する知識を深める」
→大概の場合、相手がおかしいと薄々分かっているものの、はっきりした基準を持っていないものです。ですから、普段から「これがDVだ」「これはおかしい事なんだ」と知識をつけることで、自信を持って相手の行動のおかしさを指摘できます。
そうなると、丸めこまれる危険は減ります。
私はこれがなかったために、被害を長期化してしまいましたので、特におすすめします。
「面談場所を選ぶ」
「対応は必ず複数人で」
→カフェなどのオープンスペースで、友達や職場の人など、頼める人に一緒に来てもらう。頼めない場合は、5分後に警察官に来てもらうこと。(話し合いを求められた時点で警察呼んでもOK)
「要求内容の詳細な記録を取る」
「要求内容を明確にする」
→警察や裁判では、録音や録画が証拠として採用されます。メモなどは参考資料扱いになることが多いですので、できれば録音をおすすめします。秘密録音でも証拠になりますからね。
また、後からの被害を防ぐためにも、要求内容を証拠に残すことはとっても大事です。DV加害者は簡単に言動を180度ひっくり返してきますから。
「言動に気をつける」
→加害者は自分を被害者にするために、あらゆる方法で被害者を怒らせようとしてきます。これは普段からありますが、とくに1対1の話し合いに持ち込まれてしまうと、自分が加害者でない証明をするのはかなり難しくなります。
なお、挑発行為は監視のない密室で行われる事が多く、公共の場では少なくなります(加害がばれるのを恐れるため)。ですから、この意味でも密室での話し合いは避けることをおすすめします。
「安易に妥協しない」
「相手の要求に即答・約束しない」
→相手がモラハラや経済的暴力を繰り返すタイプだと、とくにこれは大切です。というのも、こうした知的な暴力とも言うべき攻撃をしてくるタイプは、だいたいこちらを加害者に仕立てるために、あらゆる証拠を残そうと企んでくるからです。
(私自身も、勝手にされていた録音を、裁判で証拠として使われました。ちなみに証拠採用されました)
このことを考えても、安易に妥協してそれが記録として残ってしまうと危険です。一刻も早く関わりを絶ちたいでしょうが、ここは曖昧に逃げていただき、相手が怒りだしたら儲けくらいに考えていただくのがよいでしょう。
「こちらから相手に連絡をとらない」
→私自身が失敗しましたので、強くおすすめします。新居を決めて荷物を取りに行く場面で、荷物を捨てないようにメールしてしまったために、電話で直接面会を取りつけられ、行った先で捕まって脅されて、その場で家を解約されてしまいました。で、元の木阿弥。
電話は直接相手と話すために、相手に丸めこまれやすくなります。
また、こちらから連絡してしまうと、「自分と関係を続ける意志があった」とみなされてしまい、警察に相談している場合などは、かなり不利な立場に追い込まれます。(警察官からも結構ひどく叱られました)
これからDVから避難しようとしている方も、知り合いが暴力で悩まれている方も、ぜひ参考になさってくださいね。
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