福井県「性暴力救済センター・ふくい ひなぎく」
こちらは、医師の診察、カウンセリング、情報提供などがワンストップで受けられるセンターです。県外からの相談も受け入れているようで、心強いですし、被害者へ寄りそったメッセージが非常に共感できました。また、男性の被害者を受け入れている点が、お勧めできる点です。
内閣府でもワンストップのセンターはあるのですが、女性への暴力を根絶することをうたっているだけに、男性が被害を訴えるの、難しいんですよね。
性暴力は男性にも起きる
一般的に、性犯罪の被害者は女性です。体力的に弱い女性の中でも、とくに抵抗できそうにない、地味目でおとなしそうな人を選んで加害行為に及ぶのが特徴的です。しかし、相手を誘惑した→被害につながったと思われてしまいがちなのと、恥ずかしさ等から(警察でも裁判でも、かなり詳細に答えさせられる上に男性が対応することも多く、被害を訴えるのも大変です)、泣き寝入りしてしまう事も少なくありません。
男性から女性という、比較的分かりやすい被害を訴えるのも大変なのですが、それ以上に大変なのが、男性が被害者の場合。
男性でも、男性にレイプされる、女性から望まないのに性行為を強要される、といった被害があります。また痴漢される場合もあり、これも女性と同じく大変な苦痛を伴います。
が、世間の通念はそうじゃない。
男性=性欲の塊だという通念があるために、男性は女性から襲われて満足した、喜んでいると思われてしまいがちなのです。また、女性より強くあるべきだと思われているために、恥ずかしさから、女性から被害を受けた事を隠してしまう方もいます。(非難するアホがいますし)
男性の支援の難しさ
男性は女性に比べ、被害を訴える率が低いのですが、それに加えて男性特有の問題もあります。
とくに、気持ちや考えている事を言葉にすることに慣れていない男性は多いものですが、実は被害後のトラウマを抑える上で最も良いのは、自分は被害者であること、辛さや苦しさを誰かに認めてもらうことです。ですが気持ちが言葉にできないと、認めようがないので、苦しさが残ったままになってしまうのです。また、男性は辛い時ほど黙ってしまう方が多い印象を持っておりますが、そうなると被害状況を聞きだすのが難しくなってしまいます。
さらに、支援者が女性だと、男性特有の悩み(ばれて失職したら…加害者だと思われたら…といった悩みや、辛い状態でも家族を養わなければならないプレッシャー、身体的なものなど)を理解するのが難しく、支援者が男性ならプライドを傷つけられてしまう危険もあります。
私自身、母親から暴力を受けていた男子生徒の支援を経験しましたが、とにかく被害の詳細について、ほとんど出てこないのです。
被害者が女性の場合だと、「こんな風に言われた」「こんなことをされた」と詳しく教えてくれるので、割と事実関係を理解しやすいのですが、男性だと事実確認をしても、「わからない」「こうだったと思う」といった答えが多く、そもそも自分が被害者だと気づいてない事もあります。
女性でも、やっと勇気を出して相談に行ったのに、傷ついてしまう事は少なくありません。しかし、男性は女性以上に相談のハードルが高い事を考えると、こうした男女問わず受け入れてくれるセンターは、とても貴重な存在ではないかと思うのです。
性暴力の恐怖感は男女によって感じ方に差があるでしょうが、怖いという意味では一緒だと思うのです。
だからこそ、被害者をきちんと支援できる団体を紹介すること、情報を発信すること。気に入ったら、ぜひシェアしてくださいね。
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