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  1. 支援先

新潟県で自殺防止活動をされている方のご紹介

新潟自殺防止ネットワーク代表 池芳朗様(@446ike)に取材をさせていただくことができました。電話、メール、LINEなどを使い、自殺したい方からの相談を受けて、やり取りをされています。
※新潟県外の方もご相談できます。
サイト: http://life-save.org/
Twitter:@446ike

概要

新潟県や新潟市の自殺者が多い状況を知り、活動を始められたとのことですが、現在は電話、メール、LINE、Twitterの4種類の方法で、自殺志願者のお話を聞き、寄りそう活動をされています。

警察や法律家以外に、自殺志願者には心の安らぎや、受け入れてくれる場所が必要だとの思いで活動をされているそうです。ほとんどの相談者は専門機関など、ご自分でできる相談は実行していますが、それ以外に心の支えとなる場所が必要とのこと。

今までに100名の方の相談を受け入れているとのことですが、ほとんどは20~30代、全体の7割が女性。
若い世代はテキストでのやりとりを好むそうですが、LINEやTwitterで相談を受けていることと、年齢や顔写真を掲載していることから、個の割合ではないかと仰っていました。
(100名中70名がLINEからの相談)
自殺者自体は50~60代の男性が多いそうです。

池様自身はyoutubeでギターを弾かれていたり、noteで読んだ本について書かれていたりと、さまざまな活動をされています。また、ビデオチャット上でお会いして、とても面倒見のいい方だなと感じました。
ポートフォリオ: https://446ike.wixsite.com/matome

印象に残った点

「新潟県や秋田県など、雪が多い地方の自殺件数が多いが、これは冬のうつ(日照不足が原因で起きるうつ病)が原因というよりは、精神的な病気や、虐待などのきっかけを元に精神を病んでしまい、自殺に至る」と仰っていたのが印象的でした。
私も「冬のうつが絡んでるのでは?」と思っておりましたので。

その他の原因としては、「自殺対策基本法」により日本全国、どの地域でも自殺対策に取り組むことが義務付けられているのですが、関係機関と行政の連携がうまくいっている地域とそうでない地域があるそうです。ですからこれがうまくできている地域かどうかも、自殺率の高低にかかわる要因とのことでした。

うつ病と自殺の関係は、一般的にあまり知られていませんが、実はとても深いそうです。

つまり、何かのきっかけでうつ状態になってしまうと、自殺の危険性がとても高くなるわけですね。これは医師の研究でも明らかになっているそうで、うつ病の間違った認識は、自殺を引き起こす原因になりうると感じました。

また、自殺防止の活動をしているところはとても少なく、規模も小さいそうです。
確かに、自殺をほのめかされたら専門機関につなぐのが一般的な対応ですから、自殺=自分では対応できない、難しいものだと思って敬遠しがちなのも、分かる気がします。相談者から「命の電話にかけてみても全くつながらない」と言われたことがあるそうですが、その点からも、自殺防止活動をする人の数が足りていないのを感じました。

相談を受けた場合に私たちができること

①相手を受け入れきること
池様も失敗した経験があると仰ってましたが、相手を受け入れきるとは「相談者がおかしいのではないかと思っても、まずは本人の話を聞いて、なぐさめて、人間関係を作ること。『もっとこうした方がいいんじゃないの?』はずっと後になるまで黙っておく」事だそうです。

とにかく「本人がこうしたらうまくいきそう」と思うことは、本人の人間関係がきちんとできて、本人から「今後どうしていこうかな?」といった発言が出てきても、まだ慎重になる必要があるとのことでした。
人間関係ができていると思っていても、実際にはあまり出来てなかった、という事もあります。
また、あまり最初から「こうした方がいい」と本人の改善点を伝えてしまうと、シャットアウトされてしまうそうです。そうなると、二度と相談に来なくなりますので、注意が必要ですね。

友達など、近しい人ほど本人の良い点・悪い点を把握しているので、ついやってしまいがちなポイントだそうです。

池様自身は、とにかく目の前の相手を抱きしめるつもりで、相手の思いを受け入れきるようにして人間関係を作り、本人から「今後どうしていこうかな?」という発言が2~3回でてきても様子を見ながら伝えていると、仰っていました。

②自立に対する認識を変えること
自立に関しても大切な視点をいただきました。
日本では自立=誰の支援も受けない状態だとされていますが、この認識は違うそうです。ある車椅子の方が、先生から「自立=どれだけ多くの人とつながり、支え合えるか」だと言われた話から、自立=お互いの支え合いだとのお考えです。

女性の相談が7割の原因も、男性は自立すべきもの=誰からの支援も受けてはいけないという、社会の認識が原因ではないかと仰っていました。たしかに、男性は相談してこない方が多いですが、何も言わずに自殺されるのは、圧倒的に男性です。
だからこそ、自立の認識が変われば、もっと日本の自殺者は減るのかもしれないと感じました。

③無理をしないこと
池様自身も、自殺防止活動をされる先輩から言われたそうですが、活動を続けていく上で、無理をしない事は大変重要だそうです。

依存について質問をしてみたのですが、依存は「経験者とつながる場を提供する」ことが大切だと仰っていた点も、無理をしないことなのかなと思いました。
薬物依存にしても何にしてもそうですが、経験したこともない人間がいくら共感しても、そこには無理が生じます。
ですから、経験者とつながり、同じ思いを共有する経験を、継続して持ってもらうこと。そのために、依存症の方と一緒にダルク(薬物依存などに対する支援組織)や断酒会へ出かけるなど、経験者の集まる場所へ連れ出すことも、対応していく中で必要な措置になりうると考えられているそうです。

相談の経験が乏しいと、どうしても「自分が何とかしなきゃ」と思ってしまい、なんでもかんでも1人で抱えて行きづまってしまうことは往々にしてありますが、それではかえって事態を悪化させることもあります。
ですから、自分で出来ない点は専門家に頼る、活動をするならどうやったら続けられるかを考える、といった「自分が無理をしすぎない」工夫は大切だと感じました。

たくさんの大切な点を教えていただき、ありがとうございました。

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